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高断熱住宅のQ値とC値とは?断熱性能と気密性の関係性を知っておこう!
2023/08/22
家づくりにおいて、高気密・高断熱の住宅を実現するための基準として「Q値」というものがよく用いられます。
住宅展示場の見学した際や、ハウスメーカーの資料にQ値について書いてあるのを見たことはないでしょうか?
ただ、実際、家の断熱性能に関する指標はQ値だけでなく、C値という気密性を表す指標も重要なのです。
聞きなれない言葉で「Q値とC値ってなに?」と思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そもそもQ値、C値とはどのようなものなのか、さらに断熱性と気密性がどのように関係しているのかを解説していきます。
Q値の正式名称は「熱損失係数」で、この数値は「その家が、どれくらい熱が逃しにくいか」を示しています。
しばしば、「Q値が断熱等対策等級4の基準をクリア」等のアピールを見かけることもあると思います。
しかし、そのようなアピールをする施工業者より、Q値に加え「C値」にも言及している施工業者のほうが信頼できると言えます。
「C値」というものは、断熱等対策等級と関係があるものではないですが、Q値とともに家の断熱性能に重要な影響を与えるのです。
ここでは、C値について詳しく見ていきます。
C値は、家の延べ床面積の対する「すき間面積」の割合を指しています。式にすると以下の通りです。
C値=家全体のすき間の合計(㎠)÷延べ床面積(㎥)
住宅の施工にあたって、「すき間」は必ず生じるものです。
そこで、床面積1㎥あたりにそのすき間がどれくらいあるのかを示す指標としてC値が使われるのです。
要するに、C値を見ることで、その住宅の気密性が判明するのです。C値が0に近ければ近いほど、気密性が高いことを示しています。
延べ床面積40坪の住宅で考えてみましょう。
C値が5.0であれば、すき間はハガキ4枚半
C値が2.0であれば、すき間はハガキ2枚弱
C値が0に近いほど、このように気密性が高いということにつながります。
C値は施工後に計測されるので、実際に家が施工されるまでは知ることができません。
ただ、施工業者の過去の実績を見れば、その業者が建てた家のC値の平均を知ることが出来ます。C値は、施工業者を選ぶ際の良い判断基準になることでしょう。
断熱性能が高く家でも、気密性が低いと、冷暖房により冷やされた・温められた空気がすき間から逃げだしてしまうでしょう。
この状態では、到底、省エネルギーは実現できません。
たとえ、その住宅の断熱材がどれ程優れていても、すき間が多いことが原因で、その性能は活かされないのです。
このように、断熱性を高めることは気密性と非常に深い関係があるのです。
住宅の建築に当たっては、断熱性と気密性、Q値とC値、これらのバランスがその住宅の質を左右するものです。
C値は、専用の気密測定試験機を使って測ることができます。
住宅の気密性に自信がある施工業者の場合、必ずと言っていいほど気密試験を行うことでしょう。
さらに、その検査結果をもとに、建て主にC値に関する丁寧な説明をするものです。
そこで、C値についての説明がない施工業者に次の2つの質問をしてみましょう。
気密測定試験は行っているのか、気密測定試験を行っている場合、その結果はどのようなものか
施工業者を選ぶにあたっては、不審な点や不安はできるだけ除くようにしましょう。
一般的に「気密性が高い」と言うためには、C値が1.0以下である必要があります。
しかし、同じ住宅に住み続ける期間が長くなればなるほど、その数値は悪化(大きく)なる傾向があります。
経年劣化により、住宅にあるすき間がどんどん広がることが原因です。
そのため、経年劣化したとてもC値が1.0以下でとどまるような住宅を提供できる施工者を選ぶことが大切です。
高い気密性が確保された家に長期間にわたって住めるようになります。
Q値は住宅の断熱性能を表しており、C値は相当すき間面積を示し、気密性にかかわるものです。
これらの数値は住宅の断熱性・気密性を知るためには欠かせないものです。
以上のような数値を明確に示し、信頼できる施工業者を選んだうえで、注文住宅を建てるようにしましょう。
注文住宅を含む住宅のことについて何かご質問等がございましたら、ぜひ藤島建設までご相談ください。