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理想の「ペットのおうち」とは?犬や猫と快適に暮らす家づくりのポイント
2023/09/30
犬や猫などペットと一緒に暮らす方は、家の中に色々と工夫をして、愛犬や愛猫が心地よく過ごせるような環境づくりを行っているのではないでしょうか。
だからこそ、「もっと換気がしやすい家がいいな」「猫が静かに過ごせる場所を作ってあげたいな」など、家に対する具体的な希望も出てきますよね。
そこで今回は、愛犬や愛猫と暮らす家づくりにおける、押さえておきたいポイントを丸ごと解説し、これからペットと暮らす家を建てたい方に役立つ情報を紹介いたします。
「理想の家は?」と聞かれたとき、あなたなら何と答えますか?
希望を言い出せばキリがないかもしれませんが、犬や猫と一緒に暮らす場合は、ぜひペットも住みやすいように工夫されたおうちを考えてみましょう。
ペットと暮らす家を考える上で大切にしたいポイントは大まかに言うと2つです。
まず、ペットが安全に暮らせること。そして、人とペットの両方が快適に暮らせること。
そのためには、ペットのことをよく理解しなければなりません。
性格や好みはもちろんですが、人間とは異なる身体的な特徴なども含めた把握が不可欠です。
犬や猫などの動物は、人間とは体の構造、特徴が異なります。しかし、犬や猫は言葉で伝えることはできません。そのため、飼い主は積極的に情報を集めて配慮してあげる必要があるのです。
ペットのことを考えた家は、人間の暮らしも楽にし、便利にしてくれることもあります。間取りや設備がペットがいる生活を踏まえて設計されていると、お世話をする時の効率性を高め無駄がなくなり、ストレスも感じにくくなるでしょう。
もちろん、住む人みんなが快適であることも重要です。家に用いる素材や間取り、設備などの希望はたくさんあるでしょう。ペットのことをよく知っていると、ペットにとって安全な素材・動きやすい環境を踏まえて検討することが可能になります。
それでは、理想的な「ペットとのおうち」を実現する上で知っておきたい、特徴について見ておきましょう。
ここでのペットとは、犬と猫に絞って解説していきます。
犬は、毎日の散歩や遊びを通して体を動かすことを好みます。
大型犬や活発な性格の子は運動の機会が少ないとストレスを感じることも珍しくありません。
小型犬は大型犬ほどの運動量を必要としませんが、それでも肥満防止やストレス発散、気分転換のためにある程度の運動は行うべきでしょう。
敷地や間取りに余裕があれば、気軽に走り回れるようなドッグランやプレイルームがあると便利です。
リードをつけずに思いっきり走って遊べる点は犬にとっても嬉しいポイントではないでしょうか。
屋外にこのようなスペースを設けるのが難しい場合は、室内で動き回れるよう回遊動線を工夫した間取りにするのもおすすめです。
室内でも、夏場の暑い時期や真冬の寒い時期は愛犬にとって厳しい季節となります。
暑さや寒さに対して比較的強い犬種もいますが、だからといって油断は禁物。
室内にいても、夏は熱中症、冬は低体温症になることもあるといいます。
季節に応じて、快適に過ごせるグッズを用意してあげることも大切ですが、家づくりの段階でできることもあります。
たとえば、高気密高断熱仕様にして外気の影響を受けにくくする方法はおすすめです。
フレンドリーで人と過ごすことが好きな犬でも、ときには自分だけで引きこもれるようなプライベート空間が必要になることもあります。
体調が優れなかったり、怖いことが起こったり。
そういう時は、狭くて暗い場所に居ることでリラックスできるのです。
猫が野生で生活していた頃は、高い場所に身を隠して生活をしていました。
猫にとって高い場所とは、安心でき、狩りに備える居心地の良い空間ということです。
室内飼いをされている猫には、もはや狩りをする必要性はありません。
しかし、狩りは本能をくすぐる要素でもあり、猫じゃらし等を使った遊びはストレス発散にもなります。
猫は犬とは違い、単独行動をする動物です。
縄張りを主張し、一人で落ち着ける場所を求める傾向にあります。
驚いたり、怖かったり、体調がすぐれないときに、落ち着ける場所を用意してあげましょう。
特に、多頭飼育をしている家庭では、それぞれの猫がくつろげる空間を準備しておく必要があります。
猫同士が良い関係性を保つためにも、十分に配慮してあげましょう。
猫にとって、爪とぎは本能による行動のため、やめさせることはできません。
古い爪をはがしたり、爪を鋭くしたり。縄張りを主張したり、ストレスを発散したりと、さまざまな意味があります。
犬と同様に、真夏や真冬は室内にいても猫にとって過酷な環境になる日もあります。
気温や湿度は適宜調整して、飼い主の留守中もエアコンをつけておくなどの対策は必須です。
以上のような特徴を踏まえて、ペットが快適に過ごせる家づくりにおける注意点を見てみましょう。
お留守番中の安全を確保したり、キッチン等の危険を伴う場所への出入りを制限したりするために、ペットフェンスは有効です。
特に、キッチンでは愛犬や愛猫にとっての危険がたくさん。
包丁やハサミ類の刃物で怪我をしたり、コンロの火や熱湯で火傷をしたり。
玉ねぎやニンニクなど、ペットが食べてはいけない食材が転がっていることもあります。
家屋で一般的に使われているフローリングは、犬や猫にとっては滑りやすく足腰への負担が大きくなります。
思いっきり走りたくても走れない環境は、ストレスにつながるかもしれません。
さらに、転んで脱臼などの怪我をする恐れもあります。
フローリングの中には、衝撃を和らげてくれるものや滑りにくいものもあります。
全部の床をペット仕様にすることが難しい場合は、ペットが頻繁に行き来するところだけ床材を変更してみてはいかがでしょうか。
カーペットを敷いたりコルク材を敷いたりして対策することもできます。
あまり知られていない、盲点とも言えるのが観葉植物の危険性です。
観葉植物は、人をリラックスさせてくれる効果もあるとされ、おしゃれな見た目から人気です。
しかし、ペットにとっては毒性のある植物もあり、舐めたりかじったりして口にしてしまうと危険です。
観葉植物をインテリアに取り入れる際は、十分に毒性について確認しておきましょう。
浴室は、ペットと暮らす人にとってキッチンと同じくらい警戒しなければならないエリアです。
水を張った浴槽に誤って落ち、溺れてしまうという事故は多く、「もっと気を付ければよかった」と長く後悔している人もたくさんいます。
ペットの命を守るためにも、浴槽のフタはきちんと被せておきましょう。
また、浴室に立ち入らないように扉は必ず閉めておくことも忘れずに。
犬も猫も、そっと静かに過ごせるようなプライベート空間が時には必要です。
「ここに居れば安心」と思えるような、隠れ家のような空間を作ってあげましょう。
ペット用トイレは、できれば来客があった時に目につきにくい場所で、ペットにとっても落ち着けるところに設置したいですよね。
ペット用シーツや猫砂の交換、猫の場合はトイレ本体のお掃除がしやすい場所であることも、重要なポイントとなります。
狭すぎると、ペットが向きを変えられず嫌がることもあります。
最低限、市販のトイレが十分に収まるスペースを確保し、目隠しができるような工夫をするとお互いに快適です。
トイレは、毎日掃除をして衛生的に保つ必要もあります。
汚れがつきにくく掃除のしやすい素材、においがつきにくい素材を使うのもおすすめです。
ペットがご飯を食べたり水を飲んだりする場所は、人の動線から外れたところに設置しましょう。
こうすることで、落ち着いてご飯や水を口にしやすくなります。食欲不振や飲水量が足りないとき、場所を変えるだけで解決することは珍しくありません。
ペットとともに暮らす家では、あらかじめこうした点にも配慮してあげることが可能です。
ペットと一緒に暮らしていると、どうしてもトイレのにおいなどがこもってしまいます。
効率的に換気できる仕組み・間取りにしておくと、短時間で家の中の空気が入れ替わり、さほどにおいに困ることもなくなるでしょう。
もちろん、網戸にする場合は脱走防止策として強化網戸などを設置する必要もあります。
夏場や冬場を健康的に乗り切るためには、空調管理も必須です。
お留守番中は特に注意しましょう。
高気密・高断熱の家であれば、エアコンの消費電力を抑えやすく、光熱費が気になる方にもおすすめです。
犬とともに暮らすことが決定している場合は、以下の間取りや設備があるとより便利になります。
お散歩から帰ったとき、家への出入り口のすぐそばに足洗い場があると非常に便利です。
お散歩前にタオルをセッティングしておけば、帰った時にスムーズに家に入れますね。
広い土間があると、足やお腹が汚れていても落ち着いてケアできます。
土間は土や水に強く、掃除自体もとても簡単。
ペットのいる家庭では、より使い勝手の良さを実感することでしょう。
土間は、ひんやりとしていているため、夏場は好んで過ごす犬も多いです。
行き止まりのない回遊動線にしておくと、雨や台風、雪などでお散歩に行けない時でも家の中で運動することができます。
庭にドッグランをつくることが難しくても、室内にはしゃいで走れる環境があれば、ストレスを感じにくくなるのではないでしょうか。
お散歩で泥だらけになったり、びしょ濡れになってしまった時は、お風呂で綺麗にしたくなる日もあるでしょう。
また、お散歩中の排泄物はサッと処理したいものです。玄関から浴室やトイレが近いと、帰宅後の手間がずいぶんと楽になるでしょう。
暇なとき、家の外を眺めて過ごす犬は多いです。
何となくボーッと眺めたり、飼い主さんの姿を探したり。
ポカポカと暖かい日は、ひなたぼっこをするにも最適です。飼い主さんにとっても、外の景色が楽しめる窓があると気分が晴れやかになるでしょう。
猫と暮らす家づくりでは、以下のポイントにも意識してみてはいかがでしょうか。
猫は安心できる場所として狭くて暗いところを好みます。
猫用のベッドやハウスなどが置けるスペースをいくつか用意しておきましょう。
お気に入りの爪とぎがあると、それ以外の場所で爪とぎをすることが減ります。
猫も、爪とぎをする場所を覚えることができるため、家具や壁・柱などを保護しやすくなるでしょう。
爪とぎ場は複数用意し、好みが分からないうちは向きや素材などの違いによる反応を観察しましょう。
猫は日向ぼっこが大好きです。
人間よりもはるかに長い時間を眠って過ごす猫にとって、心地よく眠れる場所はいくつか確保しておきたいもの。
窓の外を眺めて暇をつぶす子も多いです。
猫は、上下運動が得意です。キャットウォークやキャットタワーがあると、高い場所を好む猫の興味をそそり、運動不足の解消にも役立つでしょう。
キャットタワーやキャットウォークの上がお気に入りスポットになる子も多いです。
猫がちょうどくぐれるくらいの「ペットドア」があると、飼い主さんがその都度ドアをあけてあげなくても猫の思うままに自由に行き来できます。
ペットドアは、「あれば良かった」と後悔される方も多いため、これから家を建てる方は検討してみてはいかがでしょうか。
せっかくペットと暮らすなら、お互いが快適で住みやすい家にしたいものですね。
ただ、人間にとって快適だと感じるポイントが、必ずしも犬や猫に当てはまるわけではありません。
犬や猫が好きなこと・苦手なことをよく理解することは、ペットの快適な空間をつくる上で不可欠なポイントとなるでしょう。
藤島建設では、人とペットの両方が快適に暮らせるように配慮した住宅も多数手掛けています。
ぜひ、犬や猫との暮らしをより満喫したい方は、参考にしてみてくださいね。