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3階建てにビルトインガレージがあるメリットとは|快適な住まいを叶えるポイント
2023/08/31
限られた空間を最大限に活用できるビルトインガレージは、特に土地の価格が高い都市部で人気を集めています。
ビルトインガレージのメリットは、単に駐車場が確保できるだけではありません。
ここでは、ビルトインガレージのある3階建てのメリットとデメリット、快適に暮らすための間取りの工夫について紹介いたします。
ビルトインガレージとは、建物の中にガレージを設けドアやシャッターをつけて格納できるようにした空間のことを指します。
多くの場合、自家用車やバイクをとめるためのスペースとして活用され、インナーガレージと呼ばれることも。
「ガレージ」は、屋根があり三方が壁で囲まれた駐車場を示します。
3階建て住宅の場合のビルトインガレージは、1階部分をガレージとし、2階以上が住居スペースになることも多いです。
ビルトインガレージに必要な広さは、何台の車を駐車するかによって変わります。
また、単純に車の大きさから適当にサイズを決めるのではなく、国道交通省の定める基準に基づき確保しなければなりません。
具体的に、車1台分のスペースとして最低限必要になる広さは以下のとおりです。
ここでいう小型乗用車とは、長さ4.7m以下・幅1.7m以下・高さ2.0mの排気量2,000cc以下(ディーゼル車を除く)が対象です。
普通乗用車は小型乗用車よりも大きな車を対象とします。
ビルトインガレージをつくる場合は、普通乗用車の駐車場サイズに合わせるのが通例です。
さらにバックドアの開閉や人が無理なく通れること、収納や作業スペースの確保等を考慮すると、もう少し広めに確保しておく方が使い勝手がよくなります。
仮に、奥行き6.5m、幅2.8mを確保したい場合、面積は18.2㎡。つまり、約5.5坪の広さが必要です。
町を歩いていると、コンパクトな家や大きな家、さまざまですよね。
ビルトインガレージのある3階建てを建てたい場合、どのくらいの広さが必要になるのかチェックしておきましょう。
人が快適に暮らせる広さの基準は、国土交通省が「住生活基本計画」で定めています。
当然ながら、単身世帯と4人世帯とでは基準となる面積が異なり、家族が多いほど必要となる面積は増えます。
健康で文化的な生活を営むために必要不可欠な住宅の面積の水準です。
これ以上狭くなると、生活に不便が生じる可能性があるため、住まいを決めるときはこの水準以上の広さが推奨されています。
多様なライフスタイルに対応しうる面積の水準です。
このくらいの広さがあると、快適性も高まることが分かります。
ビルトインガレージを設ける場合、国土交通省の定める住生活基本計画での水準に、ガレージ分の広さをプラスして考える必要があります。
したがって、3階建て住宅に必要な広さを考える時は、車1台分であれば約5坪~5.5坪を足して考えるようにしましょう。
近所に月極め駐車場等がある場合、「わざわざビルトインガレージにしなくてもよいのでは」と思う方もいるでしょう。
しかし、ビルトインガレージにするメリットを知ると、その考えも変わるかもしれません。
限られた土地に建物と駐車場をそれぞれ設けるとなると、どうしても建物に使えるスペースが小さくなってしまいます。
しかし、ビルトインガレージのある3階建てにすると、居住スペースが広くなりのびやかな空間となります。
ビルトインガレージは、駐車場を敷地内に確保しつつ家の広さも確保できる点が大きな魅力でしょう。
狭小地の場合、周囲が建物に囲まれていることも珍しくありません。
場所によっては、十分な日当たりが確保できない可能性もあります。
ビルトインガレージのある3階建てを選ぶと、居住スペースは2階と3階になり、そのぶん日光が届きやすくなる点もメリットです。
日当たりのよさにこだわりたい方は、重要となるポイントではないでしょうか。
自家用車を運転している人なら、雨や雪の日の不便さを日々実感しますよね。
屋外の駐車場にとめていると、雨に濡れ、雪は積もり、風に舞った落ち葉や黄砂で汚れることもあります。
特に、雪が積もる地域では車体に雪が積もってしまい、出掛けるまでに大変な手間を要することも。
雪で冷えきった車はエンジンもかかりにくくなり、負担がかかります。
ビルトインガレージなら、こうした自然相手のどうしようもない現象から車を守ることができ、お出掛けまでにかかる手間が省けます。
さらに、シャッターのあるガレージならイタズラによって車が損壊される不安もありません。
雨の日に車ででかけると、傘を指しても濡れてしまうことがありますよね。
ドアを閉める前に傘をたたんでいると、ドア内側や体の一部が濡れてしまうのは防ぎようがありません。
ご高齢の方や子どもがいると、乗り降りに時間がかかり余計に濡れてしまいます。
ビルトインガレージなら、雨が降っていても濡れずに乗り降りでき、高齢者や子どもも焦ることなく行動できます。
家の入り口はすぐ目の前にあるため、多少重たい荷物も楽に運べて便利です。
ビルトインガレージは、駐車場としての活用ばかりでなく、趣味を楽しむ場所や収納スペースとしても使えます。
仲間や家族みんなでBBQを楽しんだり、子どもが水遊びをしたりと、その用途はアイデア次第。
屋外に近い空間であることを最大限に活かして、アウトドアやDIYが楽しめる場所にしてもよいでしょう。
住宅の設計では、「容積率」の制限を考慮しなければなりません。
容積率とは、敷地面積に対して建物の延べ床面積がどのくらいの広さになるか、その割合のことを指します。
仮に、容積率の制限が150の地域において、敷地面積が100平米の場所に家を建てるとなると、延べ床面積は150平米以下にしなければなりません。
ただ、ビルトインガレージの場合、延べ床面積の5分の1までは除外できるというルールがあります。
したがって、ビルトインガレージを設けることで合法的に延べ床面積を広げることができるのです。
車が趣味であり、メンテナンス等にこだわっている方にとっては、ビルトインガレージが最高の趣味活動の場となるでしょう。
雨風の影響を受けない快適な環境下で、時間の許す限り車と向き合うことができます。
ビルトインガレージのある3階建ての家は、メリットばかりでなくデメリットもあります。
あらかじめデメリットについてもよく理解して検討していきましょう。
居住部分は2階と3階になるため、自宅にあがるには必ず階段を上がる必要が出てきます。
自室が3階にあれば、帰宅後すぐに3階まで上がることも考えられるでしょう。
若いうちは問題にならなくても、いずれ年をとると階段の上り下りが負担になるかもしれません。
大きな開口部と駐車できるスペースには、柱を建てることができません。
そのため、建物の耐久性や耐震性を確保するために、特別な工事が必要になります。
建築費用はビルトインガレージのない3階建てよりも高くなる可能性もあるでしょう。
ビルトインガレージのある3階建ては、1階部分の大半を駐車場として使うため、実際の居住スペースは2階と3階になります。
したがって、通常の3階建てよりは居住スペースが狭くなるのは仕方がありません。
ガレージ内で発生する音は、家の中に響きます。
エンジンをかけた音、車のドアを開け閉めする音など、気になる人にとってはデメリットになるでしょう。
特に、車の出し入れが頻繁にある場合は、防音対策が住まいの快適性を高めます。
3階建てビルトインガレージの家で快適に暮らすために、押さえておきたいポイントがいくつかあります。
ガレージで発生する大きな音は、吸音材や遮音材を用いるなどして音漏れを防ぐという方法があります。
設計の段階で騒音について相談しておくとよいでしょう。
寝室など静かに過ごしたい部屋を3階につくると音が気にならなくなるかもしれません。
シャッター音が近隣住民からの苦情になることもあるため、比較的音の少ない電動シャッターを選ぶのもおすすめです。
車の排気ガスのにおいがガレージに充満すると、それが居住スペースにまで広がる恐れがあります。
換気扇や窓を設置して嫌なにおいがこもらないようにしましょう。
せっかくのビルトインガレージですから、そのメリットを存分に感じられる間取りにしましょう。
玄関とは別に、ガレージから直接出入りできるドアや通路をつくると、荷物の運搬が楽になります。
実際に、車から荷物を出し入れしたり、将来車イスが必要になった時のことを想定したりすると、ベストな間取りが見つかりやすくなります。
ガレージの大きさを後から変更するのは難しいです。
「いずれ大きな車に乗りたい」、「子どもが大きくなったら2台分の駐車スペースが欲しい」など、将来のことを考えたガレージの広さにしておきましょう。
せっかくのビルトインガレージが無駄にならないように、広さについては慎重に判断されることをおすすめします。
ビルトインガレージがあると、容積率の計算時に緩和措置によって延床面積を広く確保できるというメリットがあります。
しかし、固定資産税はそのぶん高くなることを覚えておきましょう。
ここからは、実際にビルトインガレージに住まわれている方の家の間取りを紹介いたします。
「遊び心と住み心地の融合した3層構造の住まい」がW様の求める家でした。
ガレージには2台の車が収まるようにして、しっかりとスペースを確保。
土間の効果的な使い方やシックな無垢材の空間を取り入れ、趣味であるホームシアターも完備。
藤島建設のモデルハウスに心が魅了されたことがきっかけで、この上質なお住まいが実現しました。
延床面積は41坪、街中にある都市型の3階建てで、夫婦2人と子ども2人の4人家族を想定したモデルハウスです。
1階部分に1室と浴室・洗面室を配置し、2階は広々としたLDK。
最新鋭の設備とIoT技術を採り入れた、最先端の住まいとなっています。
ビルトインガレージのある家は、狭小地でも駐車場と広々とした家の両方が実現する点が大きなメリットです。
ガレージの使い方は駐車場以外にも、さまざまな活用のしかたがあります。
ぜひ、今回ご紹介した3階建てのビルトインガレージがある家のメリットとデメリットを踏まえたうえで、検討をしてみてはいかがでしょうか。