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子犬の散歩デビューはいつから?成功のコツと注意点を解説
2023/10/31
子犬を迎えると、あまりの可愛さに、すぐにお散歩に出掛けたくなるかもしれません。
しかし、子犬のお散歩デビューはいくつかの段階を経て行う必要があります。
ここでは、子犬のお散歩デビューを控える飼い主さんや、これから子犬を迎える方にとって役立つ情報を紹介いたします。
子犬の散歩デビューは、免疫力をつけるためのワクチンプログラムが終了した2週間後から行うと良いとされています。
子犬のワクチンプログラムは、一般的には3回に分けて行われ、3回目の接種が終わるのが生後4ヶ月くらいになります。
ワクチンの接種後、病気に対する抗体が安定するのが約2週間後となるため、お散歩デビューは早くても生後4ヶ月~5ヶ月くらいになるでしょう。
しかし、このお散歩デビュー時期にはいくつかの説があり、獣医師やトレーナーによってはワクチンプログラムが終わる前から行うべきという意見も少なくありません。
なぜなら、子犬が社会に慣れていく上で大事な時期は、生後3週~16週とされており、これを過ぎると恐怖心が芽生えてくる時期に差し掛かるからです。
お散歩で感じるさまざまな刺激に対して、恐怖心を感じながら慣れるよりも、好奇心が強い時期に慣れる方が良いと考える専門家もいます。
お散歩デビューの時期については、かかりつけの獣医師に相談しながら決めていくと安心です。
犬は猫とは違い、外での散歩が欠かせない動物です。
その理由について見てみましょう。
室内でも日向ぼっこを好む犬は多いですね。
これは、日光を浴びることで脳内のセロトニンが出てストレスの解消につながるという理由が考えられます。
また、ビタミンDの生成を助けることで免疫力やカルシウムの吸収を高めてくれる効果や、皮膚についた細菌やカビを殺菌してくれる効果も期待できます。
特に、子犬の場合、日光浴はとても重要です。
子犬期は、ビタミンDの欠乏による「くる病」が心配ですが、日光浴でビタミンDの生成を促すことが、この病気の予防につながると考えられています。
運動は、肥満の予防や筋力の維持・向上、食欲の増進などにつながります。
肥満は糖尿病や関節の病気などを招く要因となり、筋力の低下は姿勢の崩れなどを招くことから、お散歩は数々の病気を予防する最も基本的な対策とも言えるでしょう。
お散歩で四季を感じることが、ホルモンの調節にも役立つと考えられています。
運動や、家の外を歩くことは、ストレスの解消につながります。
犬の場合、猫とは違って家の中で遊ぶだけでは運動量が足らずストレスが溜まってしまうため注意が必要です。
必要な運動量は、大型犬と小型犬とでは違ってきます。
お散歩の頻度や1回あたりの時間はどのくらいが適しているのかについても、獣医師に確認しておくと良いでしょう。
一般的に、小型犬よりも大型犬の方がより多くの運動を必要とします。
ここで要注意なのが、適切な運動量は必ずしも大型犬・小型犬などといった分類で言い表せないということです。
小型犬の中でも、筋肉質でガッチリとした体型の犬種と華奢で小さな犬種とでは、最適な運動量が変わることもあります。
社会性を身に付けておくと、人や飼い主との関わりに抵抗がなくなり、その後の生活が豊かになります。
愛犬を連れて歩くとき、周囲の環境を怖がり知らない人や犬に吠えかかってしまうと、お散歩できる範囲も狭くなってしまいますよね。
そうならないためにも、子犬のうちに色々な環境に慣れて社会性を身に付けることが大切です。
ドッグランで他の犬と仲良く遊んだり、飼い主と一緒に旅行に行ったりと、楽しい時間をたくさん増やすためにも、散歩を通じて環境の変化に動じないよう育ててあげましょう。
散歩で心身ともに満たされ、飼い主との散歩が楽しみになると、良い信頼関係を築きやすくなります。
これは、しつけのしやすさにもつながる、重要なポイントです。
犬は、家の中や周囲を縄張りとし、その縄張りを守ろうとする能力が本能的に備わっているといいます。
だからといって、テリトリーの外に出たくないというわけではありません。
犬は、探求したいという欲求もあるため、外の色々な刺激を受けながら、自分のテリトリーをマーキングによって主張していると考えられています。
子犬の散歩デビューまでには、いくつかの準備が必要です。
いきなり外に連れ出すと、恐怖心や不快感で散歩が嫌になってしまうこともあります。
首輪やハーネス、リードは、慣れさせるしかありません。
はじめは不快感を感じて無理矢理脱ごうとしたり、鳴いて抵抗したりすることもあるでしょう。
首輪やハーネスは、子犬にとって負担の少ない、軽いものから始めてみるのがおすすめです。
ベランダやお庭があれば、リードがある時だけ出してあげるなど工夫をすると、「これを装着すれば外に出してもらえる」と覚えてくれるでしょう。
外の世界には、車や自転車、鳥、飼い主以外の人、他の犬のにおいなど、室内では分からない新しい刺激がたくさんあります。
その刺激に対する反応は、性格によっても変わりますが、恐怖心を感じる子も少なくありません。
いきなり歩かせるのではなく、抱っこやキャリーバッグでの外出から慣れさせると良いでしょう。
生まれたばかりの子犬は、初乳による免疫で体を守っています。
しかし、生後1ヶ月半を過ぎる頃には、免疫が徐々に減ってくるためワクチンを接種して予防する必要があります。
外の世界は、家の中よりも感染症のリスクが高まります。
ワクチンプログラムをきちんと完了させ、お散歩のタイミングについては獣医師に相談すると安心です。
社会化に適した時期に飼い主以外の人や他の犬に触れる機会が多ければ、必要以上に恐怖心を与えることなく社会に慣れることが可能です。
普段とは違う環境では、子犬が興奮をしたり落ち着きがなくなることもあります。
そんな時のために、しつけやマナーについては家で訓練しておきましょう。
お散歩に必須であるエチケット袋やティッシュ、お水、水分補給のためのグッズは、専用のバッグ等にまとめて入れておくと便利です。
しつけのために、おやつを少量持っておくのも良いでしょう。
また、もし首輪やハーネスが抜けて迷子になってしまった時のことも考えて、迷子札を用意しておくことをおすすめします。
首輪には、連絡先が直に書けるものや刻印・刺繍してもらえるものもあります。
“抱っこ散歩”は、愛犬が散歩に慣れる練習になります。
安心できる飼い主さんの腕の中なら、不安な気持ちも和らぐでしょう。早速、“抱っこ散歩”のコツについて見ていきましょう。
犬の社会化期は、一般的に生後3週間~14週(3ヶ月半)と言われています。
もちろん、この時期を過ぎても犬は社会化を続けますが、この社会化期は特に色んな体験に順応しやすい時期でもあり、これを過ぎると恐怖感というものを覚えやすくなります。
しかし、ワクチンプログラムの終了を待っていると、この社会化期を過ぎてしまうことも少なくありません。
“抱っこ散歩”は、社会化期にできる限り外の世界を体験させつつ、免疫力の不十分な犬の健康を守りやすくする手段でもあるのです。
“抱っこ散歩”は、はじめのうちは家の周囲を数メートル歩くだけで大丈夫。
できるだけ大通りは避けて、徐々に慣らしていくようにしましょう。
“抱っこ散歩”と子犬の足で地面を踏むのとでは、大きな違いがあります。
アスファルトや草の感触ひとつとっても、犬にとっては初めての経験です。
まだ外の環境に慣れていないうちに地面におろすと、恐怖心が先にたちお出掛けを嫌がるようになるかもしれません。
地面におろすのは、十分に外の環境に慣れ、ワクチンプログラムが終了してからにしましょう。
初期の段階では、できるだけ静かで刺激の少ない場所から始めることが肝心です。
周囲の環境に驚いたり、怖がったりしにくくなったら、大通りや人通りの多い場所など賑やかな環境にもチャレンジしていきます。
できるだけ、様子を見ながら色んな景色・音・人・動物に触れていくように計画しましょう。
抱っこ散歩は、やり方を間違えると失敗し、その後長らく外出を嫌がるなどの問題が出てくることもあります。
先ほどご紹介した注意点をよく確認して、無理なく行っていきましょう。
特に、以下のポイントには注意しておきましょう。
抱っこ散歩を行う前に、まずは飼い主の抱っこに慣れる必要があります。
慣れない屋外でも、抱っこされていれば安心できる、という関係性を築いておくことも大切です。
犬の正しい抱っこの方法をマスターし、日頃からしっかりと練習しておきましょう。
地面を歩かないうちはハーネスの必要性はないですが、万が一のときのことを考えて首輪とリードは必ずつけておきましょう。
もし、愛犬が突然興奮するなどして飼い主さんの腕の中から飛び出してしまった場合、迷子になってしまったり事故に遭ってしまうという最悪のケースを防止するためです。
首輪やリードを装着することにストレスを感じないように、抱っこ散歩をする前から家の中で練習して慣らしておきましょう。
抱っこ散歩は、ルート選びも重要です。いきなり刺激の強い大通りや駅前などを選ぶと、恐怖心がトラウマになり外出そのものをストレスに感じることもあります。
外出へのトラウマは、長期的に引きずってしまう子も少なくありません。
まずは、ほんの短時間、数メートルから始めましょう。
そして、家の周囲の環境をイメージし、徐々に刺激が強くなるようなルートで時間も増やしていくように計画します。
お散歩が終わった後は、清潔を保ち時間帯によってはご飯をあげましょう。
これは、子犬の散歩に限ったことではありません。愛犬との散歩では不可欠なポイントです。
しっかり外を歩けるようになった後は、帰宅時の足拭きが必須です。
肉球や指の間など、濡れタオルやシャワー等で優しく汚れを落としましょう。
濡れたまま家にあげるのではなく、乾いたタオルで拭きドライヤーをかけるなどして乾かしてあげることも大事です。
愛犬と暮らす家を考えるとき、汚れて帰ってきた時に使える屋外の玄関近くの蛇口や、お散歩の準備・帰宅時のケアができる広めの玄関土間は便利です。
お散歩の前にごはんをあげると、健康を損ねるリスクや事故のリスクにつながるため注意が必要です。
まず、ごはんを食べた後は脳の血流が低下して、眠くなってしまうという理由が挙げられます。
ウトウトとした状態で散歩に出ると、注意力の低下により事故や怪我をしてしまう可能性があるのです。
また、食後の運動は胃が膨らんだことで腸と絡まり胃捻転のリスクが高まるとも言われています。
愛犬のご飯と散歩のタイミングは、きちんと管理してあげることが大切です。
もし、どうしてもごはんの後に散歩しなければならないときは、少なくとも食後3時間は空けて行うか、激しく運動したりダッシュしたりしないように行うことをおすすめします。
散歩デビューは、私たちが思う以上に愛犬にとって刺激的なものとなります。
いつもとは違う風景、見たことのない人や他の犬、聞いたことのない音…。五感をとおしてさまざまな出来事が一気に押し寄せることを考えると、慎重に始めるに越したことはありません。
ぜひ、今回ご紹介した内容を参考にして、子犬を迎えた際の散歩デビューに備えましょう。