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「台地だから安心」は本当?さいたま市で地盤が弱いエリアと安全な土地の見極め方
2025/12/12
さいたま市でマイホームを検討する際、多くの方は「地盤の強さ」を気にされます。
一般的に「さいたま市は台地だから地盤が強くて安全」というイメージが広く浸透しています。
しかし、最新の科学的調査によって、その常識が必ずしも正しくないことが分かってきました。
この記事では、従来のイメージに頼るのではなく、科学的根拠に基づいた本当に安全な土地選びの新常識を解説します。

さいたま市での土地探しにおいて、「大宮台地上は地盤が固く、災害に強い」という話はよく耳にします。
実際に、市の大部分を占める大宮台地は、古く固い地層で形成されているため、揺れにくいとされてきました。
しかし、近年の地質調査技術の進歩は、私たちの足元にある「真実」をより詳細に描き出しています。
これまでの常識と、科学が明らかにした事実との間にあるギャップを知ることが、安全な住まいづくりの第一歩です。
「台地だから安心」とよく言われますが、実はその常識に一石を投じる調査結果が報告されています。
産業技術総合研究所(産総研)が公開した「3次元地質地盤図」によると、これまで“堅固な地盤”と考えられてきた大宮台地の地下深くに、意外にも軟らかい地層が分布していることが明らかになりました。
特に、さいたま新都心や浦和周辺などの一部地域では、地下に古い谷が埋まって形成された「木下層下部」と呼ばれる地層が存在しています。
この層は泥質の堆積物を多く含み、一般的に軟弱な地盤傾向を持つとされています。
地盤の固さは「N値」という数値で評価されます。
この数値が小さいほど地盤は軟らかいとされますが、産総研の調査では、大宮台地の一部エリアでN値が10前後と、低地(荒川沿いなど)の一部と近い水準の地域が確認されました。
ただし、これは“大宮台地全体が軟弱”という意味ではありません。
むしろ「同じ台地でも場所によって地盤の性質が大きく異なる」ことを示すデータと言えます。
従来から地盤が弱いとされてきたエリアについても、改めて確認が必要です。
さいたま市西部を流れる荒川や、東部の県境を流れる中川周辺の「沖積低地」と呼ばれるエリアは、新しい時代に土砂が堆積してできた土地です。
これらの地域は水分を多く含んだ軟らかい地層が厚く、特に中川低地の一部ではN値が5を下回る、極めて脆弱な地盤も確認されています。
このような土地では、地震の際に揺れが大きくなりやすい傾向があります。

地盤の強弱は、具体的にどのような災害リスクに結びつくのでしょうか。
安全な土地を選ぶためには、地震による「揺れ」だけでなく、「液状化」や「洪水」といった複数の災害リスクを総合的に考えることが不可欠です。
ここでは、さいたま市で特に注意すべき3つのリスクについて解説します。
地震の揺れの大きさは、震源からの距離だけで決まるわけではありません。
軟弱な地盤では、地震波が増幅され、地表での揺れが固い地盤の数倍になる「共振現象」が起こることがあります。
さいたま市が公表している地震防災マップでは、同じ市内でも地域によって揺れやすさが異なることが示されています。
地下に軟弱層が厚く堆積しているエリアでは、建物の倒壊リスクが高まる可能性を認識しておく必要があります。
液状化とは、地震の強い揺れによって、水分を多く含んだ砂質の地盤が液体のようになる現象です。
液状化が発生すると、建物が沈んだり傾いたり、地中から泥水が噴き出したりといった被害が生じます。
さいたま市内では、特に武蔵浦和駅周辺や浦和美園地区など、かつて沼地や田んぼだった場所や、川沿いの砂質地盤でリスクが高いとされています。
東日本大震災では内陸部でも液状化被害が発生しており、決して他人事ではありません。
さいたま市は、荒川や綾瀬川など複数の河川に囲まれているため、大雨による洪水リスクも考慮しなければなりません。
市が作成・公表している洪水ハザードマップを見ると、堤防が決壊した場合に浸水が想定される区域や、その深さが色分けで示されています。
特に河川沿いの低地では、家屋の1階部分が完全に水没するような深い浸水が想定されているエリアもあります。
土地選びの際には、浸水リスクの有無や程度を必ず確認することが重要です。

では、具体的にどのようにして安全な土地を見極めればよいのでしょうか。
専門家でなくても、公的な情報を活用することで、土地に潜むリスクをある程度把握することが可能です。
ここでは、誰でも実践できる安全確認の2つのステップをご紹介します。
まずは、さいたま市役所のウェブサイトなどで公開されている各種ハザードマップを入手しましょう。
重要なのは、「地震」「洪水」「液状化」など、複数のマップを重ね合わせて、検討中の土地がどのようなリスクを抱えているかを複合的に評価することです。
例えば、「揺れやすく、浸水もしやすい」エリアなのか、「液状化のリスクは高いが、浸水は想定されていない」エリアなのかを把握することで、対策の優先順位が見えてきます。
その土地が過去にどのように利用されてきたかを知ることは、地盤の状態を推測する上で非常に有効です。
国土地理院のウェブサイトでは、年代ごとの航空写真や古地図を閲覧することができます。
もし検討中の土地が、かつて川や沼地、水田だった場合、軟弱な地盤である可能性が高いと推測できます。
地名に「沼」「谷」「沢」「田」といった文字が含まれている場合も、土地の成り立ちを考えるヒントになります。

ハザードマップなどを確認した結果、検討している土地に何らかのリスクがあることが分かっても、諦める必要はありません。
現代の建築技術は、地盤のリスクを大幅に低減させることが可能です。
ここでは、安心して暮らせる家を建てるための、代表的な2つの技術的アプローチをご紹介します。
住宅を建てる前には、必ず地盤調査を行い、その土地の強度を正確に測定します。
これは法律で定められた義務であり、安全な家づくりの基礎となる重要な工程です。
調査の結果、地盤の強度が不足していると判断された場合は、地盤改良工事を実施します。
工事の方法は地盤の状態によって様々ですが、セメントを混ぜて地表を固めたり、地中深くまでコンクリートの柱を築いたりすることで、建物をしっかりと支える強固な地盤を作り出すことができます。
地盤対策と並行して、建物そのものの地震への強さを高めることも極めて重要です。
住宅の耐震性能は「耐震等級」という3段階の指標で示されます。
建築基準法で定められた最低限の基準が「等級1」ですが、より安全性を追求するなら「等級3」の取得を目指すことをお勧めします。
耐震等級3は、等級1の1.5倍の力に耐えられる設計であり、消防署や警察署など防災の拠点となる建物と同等の強度を誇ります。

これまで見てきたように、さいたま市での安全な土地選びには、専門的で多角的な視点が不可欠です。
ハザードマップの読解から地盤調査、そして最適な建築工法の選択まで、すべてのプロセスを個人で行うのは非常に困難です。
だからこそ、地域の地盤特性を熟知し、確かな技術力を持つプロフェッショナルに相談することが成功への近道となります。
さいたま市・川口市で60年以上の歴史を持つ「藤島建設」は、まさにその条件を満たす地域密着型工務店です。
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今回は、さいたま市の地盤について、従来の常識を覆す最新の知見と、本当に安全な土地を選ぶための具体的な方法を解説しました。
大切なのは、「台地だから安全」といったイメージに頼るのではなく、ハザードマップや土地の履歴、そして専門家による地盤調査といった科学的根拠に基づいて判断することです。
そして、万が一地盤にリスクがあったとしても、適切な対策を講じることで安全な住まいを建てることは十分に可能です。
さいたま市の地盤を知り尽くした藤島建設のような専門家と手を取り、科学的視点に基づいた後悔のない土地選びを進めていきましょう。