3日目はミュンヘン住宅展示場の視察です。といっても私は何度も視ているので足立・亀山の両名のみですが。
そこで私一人、ミュンヘンから電車で40分のアウグルブルグに出かけました。気になったのは「フッガーライ」、現在も使用されている世界最古の「社会住宅」です。「社会住宅」とは聞きなれない言葉ですが、フッガーという豪商が提供した貧しい市民向けのいわゆる長屋で1年間の家賃が500年前の建築当時から今も変わらずわずか0.88ユーロだそうです。モーツァルトの曾祖父もここの入居者でした。
140世帯の共同住宅です
500年前そのままの部屋も内覧でき、当時の生活がうかがえます。基本的には1LDKでとてもシンプルな間取りです。
500年前のリビング
また、500年前の面影を残しているのが玄関ベルの取っ手。電灯のない当時、夜に帰宅しても自宅がわかるように取っ手のデザインを変えていたのです。ちょっとしたアイデアですね。貧しい市民のための住居であるものの段々式の破風で建物をお洒落にしたり、噴水を設けたり、ゆとりのある施設がフッガーの配慮を感じさせます。
4戸並ぶ玄関でも・・・
暗くても玄関ベルを掴めば自宅がわかります
ゴシック様式独特の段々式の破風
「500年住宅」。私たちも見習わなければなりません。