前回紹介したような事件がなぜ発生するのか、そして、お施主さまが巻き込まれないよう気をつけるべきこと、私の考えをふたつお話しします。
ひとつは、昨今の資材価格高騰により下がった利益を取り戻すための意図的な仕様変更と資材変更の可能性です。利益至上主義の企業体質が資材の質を落としたり、建築材料を減らすことにより利益の確保を狙ったのではと考えられます。
また、指摘事項を是正するコストを掛けたくないという身勝手な考えが虚偽の報告になったのではないでしょうか。
物価高の中、大手ゼネコンであっても建築費が以前のままであるということは企業努力だけではなかなか難しい状況ですので、極端に安価な建築会社は安さの理由をしっかりと見極めることが大切です。
そして、もうひとつは社内風土。先日、某大手建売メーカー執行役員のパワハラも話題になりました。社内でパワハラがまかり通っていれば、失敗の報告をしづらい組織文化になるのは当然です。お施主さまにとって社内風土を確認することはたいへん難しいことだと思いますが、営業担当者だけでなく、職人さんなど他のスタッフからの情報収集、離職率や平均勤続年数などの調査も見極める参考になると思います。
加えて・・・今回の事件で担当役員2名が引責辞任いたしました。本当に担当役員に責任があるのでしょうか?また、やめさせることをお施主さまが本当に望んでいるのでしょうか?辞任することでこの事件がリセットされるわけではありません。
ミスだけでなくではなく虚偽があったのですから、施主との信頼関係は破綻し、これを改善するには、役員の辞任よりも施行中、あるいは施工済み建物の第三者による検査を役員自らが陣頭指揮を執り徹底的に行うことの方が大切だと思います。
この検査の結果により、今回に限った事件であることが証明できれば、誠意をもってこの建物を建替えることで信用と信頼の回復に繋がると思います。
大手ゼネコンの不祥事により、国民全体の不信感が募る中、適切な対応を期待したいと思います。
引責辞任ではなく定年退職がいいですね
引責辞任ではなく寿退社 おなかパンパンまでありがとう!