今日、5月14日の日経新聞に国産材の活用という記事が大きく掲載されました(P2総合面、P39埼玉地域面)。
主要構造部に国産材を活用した公共建築物の割合は10年前の8.3%から13.9%に伸び、低層建築物に限れば3割に迫っているとの内容です。
私は以前から国産材使用の大切さを本稿にて述べてきました。
記事にもありましたが、国産材回帰の理由のひとつがウッドショックによる輸入材価格の上昇ということ、残念でなりません。
単に「値段」というだけでなく、二酸化炭素を固定化する、自然災害の発生防止に貢献する国内の森林を本気で見直すべきなのです。
昨年、公共建築物等における木材の利用を促す法律が改正され、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」と名称も変わりました。
主な内容は
木材の利用が脱炭素社会の実現に資すること
公共建築物に限らず建築物一般に範囲を拡大
などです。
木材の利用を法的にも支援する体制は素晴らしいことだと思う一方、今回の記事を見て残念に感じたことがあります。
総合面、埼玉面の双方とも行政単位の木材の利用、県産材の利用を奨励しているかの記事になっているのです。県単位という小さな枠にとらわれていて本当に木材の利用が促進されるのでしょうか?いつもの縦割り行政が活発な木材利用促進を阻むことは明らかです。
木の主要な供給場所は地方、木の主要な需要地は都市圏なのです。「国産材」という枠組みからすれば、日本という大きな器で木の活用、地産地消を考えるべきではないでしょうか?
そして、もうひとつ大切なこと、きちんと再造林される木、かつ、品質の高い木・・・「正しい木」だけを積極的に利用することです。
小さな力ですが、私たちは地球が壊れる前にできることをひとつずつ取り組んでまいります。
日経記事にコメントしていた東京都市大学大橋名誉教授(右から4人目)とヨーロッパ視察したおりのスナップ
欧州のCLT(集成材の一種)の説明を大橋先生と坂本東大名誉教授と一緒に