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バリアフリーと過保護(住まい造りの想い㊱)

2018/09/15

 

近年、駅のホームでは安全のためにホームドアの設置が進んでいます。目の不自由な方などの転落防止に貢献していますが、もっとも大きな効果は自殺者の減少です。ある資料によると設置後の自殺者は9割以上減少したとの結果がでております。

安全対策が進むことは望ましいのですが、ホームドアの設置により、歩きスマホや泥酔者の助長に繋がる可能性があることもデメリットとして考えなければなりません。健常者にとっては過保護な設備だとも感じております。

 

私たちが提供する住宅のバリアフリーも実は素直に受け入れることに疑問があります。というのも、このバリアフリーは、人が本来まだ「できる能力」を真綿で首を絞めるように徐々に奪ってしまう恐ろしい行為でもあると私は思っています。

移動経路に段差がなく、手摺りがあるバリアフリーは確かに便利です。でも、そのような安全に暮らせる環境は実は身体を鈍らせているかもしれないのです。

ある認知症の施設では、古民家を改修し、段差だらけで急な階段もそのままにしているそうです。階段が急なことは認知症の方でも当然理解できるのでゆっくり慎重に昇り降りするため怪我が起こりにくく、逆にフラットな床のところで転ぶことの方が多いそうです。

 

バリアフリーという流行り文句や住宅会社の画一的な提案に惑わされることなく、カスタマイズされた採用が大切です。

 

 

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秋田新幹線は車幅が狭いのでステップが出ます(過保護?)

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ヨーロッパのある国の鉄道ではこんなにホームとの間に隙間が!(危険?)

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ちなみに・・・駅のホームには洋品店も(この国の首都の駅です)

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