熊本地震を契機に今後さらなる高い基準の建築関連法規が制定または改正されると思います。また、行政は検査監視の基準を高めるとも思います。
しかしながら、大切なことは「専門的なことは難しいから」と目を背けるのではなく、納得いくまでハウスメーカー・工務店と話し合い、自らの目でしっかりと確認することではないかと思います。
熊本地震で倒壊した住まいの特徴についてここではふたつだけ紹介させていただきます。
みなさまも床下通気のためにある基礎の通気穴をご覧になったことがあると思います。この通気穴があることによって残念ながら基礎内にある配筋はこの部分で遮断されているのです。結果としてこの部分に亀裂が入ったことが建物の倒壊の一因となったとみられます。
もうひとつは、構造体の断面欠損です。柱と梁を繋ぐために仕口と呼ばれる従来からの作り方で柱や梁を削ります。その結果、構造体本来の太さが持つ強度を発揮できず、この仕口部分が折れてしまったことも倒壊の一因になったと見られます。写真の構造体はプレカット工場にて加工されたために邸名も機械で印字された比較的新しい住宅ではありますが従来型仕口のためにこの部分で破損していることがわかります。
このほかにも多くの倒壊の原因となる住まいの特徴や住まい造りの折にお施主様が注意すべきポイントについて弊社展示場やフィットインプラザにてご紹介しております。家族の命を守る住まいだからこそ、設備やデザインだけにこだわるのではく構造・耐震にも強い関心を持っていただければと感じております。